オルニトスケリダ

現在、恐竜は大きく分類すると下図のようになっています。

【現在の分類】

まず骨盤の形で2つに分かれます。
恥骨が前を向いているのが「竜盤類」で、後ろを向いているのが「鳥盤類」

竜盤類はさらに肉食恐竜達の「獣脚類」と、首が長くて巨大な「竜脚形類」に分かれています。

鳥盤類も細かく分ければいろいろな種類がありますが、骨盤の形以外にも「下あごの先端に「前歯骨」というくちばし状の骨があり、前歯が無い。」という点で共通しています。


さて、この分類が確立する以前の1869年、トーマス・ハクスリー博士は「鳥盤類であるスケリドサウルスの後ろ足が、鳥の足に似ている」という理由で獣脚類と鳥盤類をひとまとめにしようと考えました。

そして、そのグループに「オルニトスケリダ(鳥の脚)と名前を付けたのです。

【ハクスリー博士による分類】

しかし結局冒頭のような分類方法が提唱され、オルニトスケリダと言う名称は使われなくなりました。



ところが、それから150年ほど経った2017年。
やっぱりオルニトスケリダというグループに分けるのが正しいのではないかという論文が発表されました。


確かにこのフロアに展示されているメガロサウルス(獣脚類)、イグアノドン(鳥盤類)、トゥリアサウルス(竜脚形類)の足を見比べると、その分類の仕方が自然のような気もしますね。

生物の分類(クレードと言う)とは「似ているからまとめる」というものではありません。

まとめたグループに名前を付けると言うことは「それらの生物には共通の祖先がいて、そこから派生した生物達」と言うことです。

つまりグループの分け方は誰かが自由に決めて良いものではなく、本来は正しい答えがあるんです。(生物の分類と系統は必ずしもイコールではないらしいですが)

しかし恐竜が誕生して様々な種類に別れていったのは今から2億年以上昔のことなので、なかなか真実を見極めるのは難しいことです。

現在の恐竜のグループ分けは、恐竜好きにとっては常識です。これが覆るかもしれないという話なので、今後の動きから目が離せないですね。


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