濡れ衣

オヴィラプトルという名前には「タマゴ泥棒」という意味があります。

オヴィ=卵、ラプトル=泥棒・略奪者 ですね。

1924年に初めてオビラプトルの化石が発見された時、プロトケラトプスのものと思われる卵の化石が近くにあったことが由来です。

あとでゆっくり食べるために、プロトケラトプスの巣穴からせっせと卵を奪っていたと考えられたんですね。

HombreDHojalata, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons


しかし2000年ころになって、オヴィラプトルがとんでもない濡れ衣を着せられていたことが分かりました。

「シチパチ」というオヴィラプトルに近縁の恐竜が発見されたのですが、なんと巣をつくり、自分の卵を抱いている姿の化石が見つかったのです。

【卵を抱くシチパチの化石】
Dinoguy2, CC SA 1.0, via Wikimedia Commons


同じグループのシチパチが子育てをしていたのだから、オヴィラプトルが子育てをしていた可能性は非常に高いでしょう。

つまり、冒頭で紹介したオヴィラプトルと一緒に見つかった卵は、プロトケラトプスのものではなく「自分の卵」だったのです。


自分の卵を一生懸命守っていただけなのに
「泥棒」呼ばわりされるなんて可哀そう・・・・・・(^^;

たとえ誤解が解けたとしても、今さら名前を変えるわけにはいかないし。


とは言え、卵を抱えられそうな手や、殻を割れそうな口や歯を持っているので、他の恐竜の卵を食べた可能性は0ではありません。

もしかしたら今後、更なる逆転劇が待っているかもしれませんね。


1件のコメント


コメントする