鳥類への進化の軌跡

デイノニクスの一番の特徴は足の鍵爪「シックルクロウ」ですが、もう一つ特筆すべき特徴があります。

それは手首の骨「手根骨」です。


ほとんどの恐竜の手首は内側方向に曲げることができますが、横方向に曲げることはできません。
つまり「おいでおいで」をするような動きはできるけど、「バイバイ」と手を振るような動きはできません。

一般的な恐竜の手は、こういう動きはできない

ところがデイノニクスの手根骨は半月型をしており、手を小指側に曲げることが可能になっています。



恐竜に近縁で、同じように手首を曲げられる生物を私達はよく知っています。

それは「鳥」です。
鳥が翼を畳むには、どうしても手首を横に曲げなければなりません。

つまりデイノニクスの手首の構造は、恐竜が鳥に進化していった証拠の一つと言えます。



最初から空を飛ぶのが目的で進化したわけではなく、初めは単純に落ちてるものを拾いやすくするために手首の可動率が大きくなっただけかもしれませんね。

生物の進化というのは、ゴールが決まっていてそこに一直線に向かっていくわけではありません。
いろんな試作品が出てきて、たまたま生きるのに都合がいいものが残っていくのです。

その結果、長い時間をかけて想像もつかない姿に進化していきます。

面白いですよね。


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