3種類の歯

大きな口を開けている人のイラスト(男性)

我々の口の中には3種類の歯が生えています。

まず中央に上下4本ずつ「前歯」があります。
この歯は薄っぺらで、物を噛み切るのに適しています。

その外側に生えているのは尖った「犬歯」です。
我々人類はほとんど使うことがなくなりましたが、獲物に噛みついて攻撃するためのものですね。

一番外側には「奥歯」があります。
てっぺんが平らになっていて、食べ物をすり潰すのに使います。

人間は色々なものを食べるので、どんなものでも咀嚼できるようにできているんですね。

食事をしている男の子のイラスト


さて恐竜の場合はどうでしょう。

恐竜ごとに歯の形状は違いますが、ほとんどの恐竜は前歯も奥歯も区別ありません。口の中にある歯はみんな同じ形をしています。

実はティラノサウルスの仲間も前歯4本だけ他の歯とは微妙に形が違っていて、それがティラノサウルス科の特徴だったりもするんですが、我々の前歯と奥歯ほどの差はありません。

恐竜はだいたい食べるものが決まっているので、いろんな歯を持つ必要は無かったのでしょう。


さて、前置きが長くなってしまいました。

ここに展示してあるヘテロドントサウルスは、なんと我々と同様に3種類の歯を持っています。

【ヘテロドントサウルスの頭骨】
Carol Abraczinskas, Paul C. Sereno, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

犬歯があるので、なんとなく哺乳類っぽい顔つきにも見えちゃいますね。

我々と同様にいろいろなもの(植物や小動物)を食べる雑食性だったのでしょう。

ちなみにヘテロドントサウルスは「原始的な鳥盤類」と言われます。

鳥盤類というのは、肉食恐竜がほとんどの「獣脚類」と、首が長くて4本足の「竜脚類」を除く全ての恐竜です。

つまり、トリケラトプス、ステゴサウルス、アンキロサウルス、パラサウロロフスなどは、全てこのヘテロドントサウルスの後輩になります。

鳥盤類の特徴はがあって植物を食べることです。

もともとは肉食だった恐竜が、ヘテロドントサウルスの雑食を経て、たくさんの植物食恐竜に進化していったわけですね。


我々人類も、もともと狩猟民族(肉食)でしたが農耕を学んで雑食になったので、ヘテロドントサウルスと同じです。

2億年ちかくも昔の生物と人類に共通点があるなんて面白いですね!


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