アジアで見つかっているタルボサウルスは、北米のティラノサウルスとそっくりです。
一応「タルボの方が前足が短い」とか「顔の幅が狭い」とか「ティラノの方が全長が大きい」とか言われいますが、正直「個体差」レベルだと思います。
我々「人間」だって、鼻の高さや足の長さは人それぞれですよね。
大人の化石しか見つかってないティラノサウルスに対して、タルボサウルスは幼体(子供)の化石も見つかっているので、ティラノサウルスの成長過程の研究にタルボサウルスのデータが使われていたりもします。
今のところ「ティラノサウルス・レックス」と「タルボサウルス・バタール」は別な恐竜(属がちがう)ということになっています。
しかし、前述のように明確な差が無いので、どちらも同じ属の恐竜としてしまい「ティラノサウルス・レックス」と「ティラノサウルス・バタール」と名前を変更するべきと唱える人もいます。
ところで、恐竜に限らず生物の学名(正式名称)は「属名」と「種名」のセットになっています。
「ティラノサウルス」は属名、「レックス」は種名です。
ちなみに「トリケラトプス」という属の中には「ホリドゥス種」と「プロルスス種」がいます。
恐竜の場合は属名ばかり有名ですが、本来は種名まで言って初めてその種の名称になります。
我々人類の学名は「ホモ・サピエンス」です。つまりホモ属のサピエンス種ということですね。
一般的に「ネアンデルタール人」と呼ばれている旧人類の学名は「ホモ・ネアンデルターレンシス」。
私たちと同じホモ属なんですね。
ライオンの学名は「パンテラ・レオ」、トラは「パンテラ・ティグリス」と、どちらもパンテラ属(ヒョウ属)になります。
って考えると、タルボサウルスは「ティラノサウルス・バタール」で良さそうな気がしますね。