「恐竜」と「恐竜以外の爬虫類」の違いとして、よく足のつき方が挙げられます。
現生の一般的な爬虫類(トカゲ、ワニなど)は、四肢が体の横方向に伸びていて、腹這いのような姿勢になっています。
それに対して恐竜は脚が真下に延びていて、体が高い位置にあります。
股関節の構造が異なり、これにより恐竜は素早く移動できるようになったと考えられています。
ところが、トリケラトプスの骨格を組み立てると、前脚を垂直に下ろすことができないことがわかりました。
無理やりそのように組み立てると、肩が脱臼してしまいます。
そこで、トリケラトプスの前脚は横に張り出し、腕立て伏せのようなポーズだったと考えられるようになりました。
しかし今度は、その姿勢ではトリケラトプスが残した足跡化石との矛盾が生まれました。
前脚を横に広げてたとすると、足跡の左右の間隔は広がるはずですが、実際の足跡化石では体の横幅と変わりません。
現在では、トリケラトプスは『手の甲を外側に向けた状態で、腕を垂直に延ばしていた』と考えられています。
このようなポーズにすると、足跡化石とも合致し、腕を捻ったことで肩の関節もうまくはまりました。
実はこのポーズは肉食恐竜でも同じです。
少し昔のティラノサウルスやヴェロキラプトルの復元を見ると、手の甲を前にしてオバケのようなポーズをしていました。
しかし現在では、彼らも手の甲を外側にして「小さく前ならえ」のようなポーズと考えられています。
恐竜が後に翼を羽ばたかせる鳥に進化したこと考えると、手の甲が外を向いてるのも納得じゃないですか?
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下記のサイトで、トリケラトプスの足の研究をした藤原慎一先生のインタビュー記事が読めます
https://blog.tinect.jp/?p=19222
【大学探訪記 Vol.23】恐竜「トリケラトプス」の本当の姿を追求する先生がいた。