恐竜人間

体の大きな植物食恐竜の脳が小さいという話を書きました。
では逆に体に対して脳が大きかった恐竜は誰でしょうか。

この手の話で必ず名前が挙がるのが「トロオドン」です。

Greg Heartsfield, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

正確にはトロオドンという恐竜自体は最近無効名(いなかったということ)になってしまったので、ここで言うのはトロオドン科の恐竜の話だと思ってください。


トロオドンは映画に出てくるラプトルのような小型の肉食恐竜(雑食とも言われる)で、北アメリカで暮らしていました。

脳化指数(体に対する脳の割合)は6くらいなので、イルカと同等の値になります。

イルカは人間の幼稚園児と同じくらいの知能を持っていて、仲間と複雑なコミュニケーションをとることができ、感情を持っているとも言われています。

トロオドンも、ある程度の社会性を持って暮らしていたかもしれません。


トロオドンは恐竜時代の末期に生きていたので、恐竜の最終進化形の一つと考えられます。

つまり、もし恐竜が滅びなければ、トロオドンの脳はもっと大きくなっていったかもしれません。

脳が大きくなるとどうなるでしょうか……。

頭が重くなると、それまでのような前傾姿勢が難しくなります。

重い荷物は体に引き寄せた方が持ちやすいよね?
それと同様に、重い脳を重心に近づけるために「直立姿勢」になっていったでしょう。

そうなると、バランスをとるために必要だった尻尾がいらなくなります。

さらにバランス調整のために、(ティラノサウルスのように)手を小さくする必要はありません。

手(腕)を大きく進化させて、餌や物を掴めるようにした方が良いですよね。


このように「もし恐竜が絶滅しなければ、いずれ人間のような姿に進化しただろう」と考えた人がいました。

Jim Linwood, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

この写真は、そのような考えのもとに作られた「ディノサウロイド(恐竜人間)」の模型です。

これが発表されたのは1982年で、まだ恐竜に羽毛があったということが知られていないころです。

今ならもうちょっと違うデザインになるかもしれませんね。

皆さんはどんな姿をイメージしますか?


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