恐竜の巨大化④

隣のパネルで恐竜の「気嚢」について紹介しました。

実はこの気嚢という空気袋は、体の中に複数個あったと考えられています。

しかも骨の中などを空洞にしてスペースを作り、それらも気嚢と繋げていたようです。


するとどうでしょう。

体のあちこちに空間があるわけなので「軽量化」になりますね。

さらに体中に外からの空気が送られてくるので、火照った体を冷やす「冷却システム」の役も果たしてくれます。


こうして恐竜の体は、巨大化のための数々の条件をクリアしていったのです。



すべての恐竜がこれらの機能を備えていたかは分かりません。

しかし今回紹介した仕組みは、現代の鳥類にも受け継がれています。

Matthew T Rader, https://matthewtrader.com, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

恐竜の巨大化も凄いですが、鳥の「空を飛ぶ」というのも凄い進化ですよね!

重力を振り切って空を飛ぶというのは大変なことです。
そのために鳥達はどんなハードルを乗り越えてきたのでしょうか。


まず体重が重くては飛べないので「軽量化」しなくてはいけません。

上空は空気が薄いので「効果的な呼吸」も必要です。

翼を動かし続けるのは凄い運動量で体温が上がります。
「冷却システム」も必要ですね。

そして多くの鳥は地上では無防備なので、食事は早く終わらせなければなりません。(咀嚼してる暇がない)



お気づきでしょうか?


「巨大化」と「空を飛ぶこと」

一見まったく別ベクトルの進化に見えますが、そのために必要な条件は意外と一緒だったりするのです。

つまりそれらの条件をクリアしていた恐竜は、いろんな進化の可能性を秘めた、とてつもなくポテンシャルの高い生物だったというわけです!


コメントする