隕石落下説②

隕石落下説が発表される5年ほど前。

石油会社PEMEXに所属するグレン・ペンフィールドは、石油を掘るために地質調査をしていて、メキシコ湾に強力な磁気反応がある地域を見つけました。

半分は海の中なので上空から見てもよく分かりませんが、磁気反応を繋げていくメキシコ湾に面したとユカタン半島のチクシュルーブという町を中心に、直径170kmほどの円形構造があることが分かってきました。

このことは地方紙であるヒューストン・クロニクルに掲載されましたが、グレンは石油には関係ないためあまり気にしていなかったようです……

そうです。
これが恐竜を絶滅させた隕石による巨大なクレーターだったのです!


そして約10年が経過した1990年。

ヒューストン・クロニクルの記者が「もしや?」と思いアラン・ヒルデブランドに声をかけました。

アランは隕石落下説の論文が出た直後、テキサスやハイチのK-Pg層で隕石による津波の痕跡を見つけていて「クレーターがあるとしたらメキシコ湾あたりだろう」と考えていた人でした。

アランが持っていたデータと、チクシュルーブのデータを照らし合わせた結果……

1991年に「恐竜時代の最後、現在のメキシコのチクシュルーブ付近に巨大な隕石が落下した」という発表がなされ、アルバレス仮説が11年越しに立証されたのです。



恐竜が滅んだ原因が100%この隕石かどうかはまだ分からないし、火山噴火説が完全否定されたわけではありません。

もしかしかたら隕石の衝撃で火山が噴火し、それが原因で恐竜が滅んだのかもしれません。

ただ、いすれにせよ隕石が衝突したこと自体はほぼ確実のようです。


多くの人の努力と偶然から、6600万年も昔のできごとが分かってくるなんて凄いことですよね!


コメントする