下の写真はタルボサウルスの頭骨です。
印が付いている部分が眼窩(がんか)と言って目玉が入っていた部分になるのですが、縦長でなんだか変に歪んでいますね。
これはタルボサウルスやティラノサウルスの特徴の一つです。
一方、同じ獣脚類(肉食恐竜)であるヴェロキラプトルはそうなっていません。
他の恐竜を見てみても、たいてい眼窩は円形に近い形をしていますね。
眼窩が狭いと言うことは、目玉が小さかったことを意味します。
大きい方が多くの光を取り込みよく見えるようになるので、目玉は大きいに越したことはないような気がします。
なぜタルボサウルスやティラノサウルスの目は小さいのでしょうか。
最近発表された研究によると、目の大きさは「噛む力」に反比例していたようです。
強く噛むと頭蓋骨に圧力がかかりますが、眼窩を小さくすることでその力をうまく分散することができたとのこと。
また、目が小さい分だけアゴの筋肉を大きくすることもできました。
大型獣脚類は、目の大きさを犠牲にしてでも咬合力を高めたんですね。
「天は二物を与えない」と言いますが、生物の進化にトレードオフはつきものです。