恐竜のヘソ

つい最近のことですが「プシッタコサウルス」の化石から「おへそ」の痕跡が見つかったという論文が発表されました。

でべそのイラスト

「へそ」というのは、まだお母さんのお腹の中にいたころ、栄養や老廃物のやりとりを行っていた「へその緒」が繋がっていたあと。

つまり母体から直接生まれた証であり、哺乳類の特徴。
卵で生まれる鳥や爬虫類にへそは無い……

というのが一般的な常識ではないでしょうか。


しかし、実は卵で生まれる生物にもへそはあるんです。

亀の赤ちゃんにおへそがあるのは結構有名だし、ヒヨコなんかにも確認できます。

厳密には我々のおへそとはちょっと違います。

彼らは卵の中では「黄身」がお腹に付いていて、そこから栄養をもらっています。

【生まれたてのサケの赤ちゃん】
U.S. Fish and Wildlife Service Northeast Region, Public domain, via Wikimedia Commons

生まれた瞬間はまだ小さな黄身がお腹に付いていて、しばらく餌を食べなくても大丈夫だったりします。

ちなみに、この栄養袋のことを「卵嚢(らんのう)」とか「ヨークサック」と呼びます。

これが少しずつしぼんで、袋ごとお腹に収納されていくんですね。

【まだ卵嚢がついてるカメの赤ちゃん】
U. S. Fish and Wildlife Service – Northeast Region, Public domain, via Wikimedia Commons

そしてしばらくは傷跡のようなものが残ります。

成長すると無くなってしまうんですが、これが鳥や爬虫類のおへそになります。


だから恐竜におへそがあっても、なんら不思議ではないんです。

なんだか、ちょっと親近感が沸きますね。


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