ジュラ紀の北アメリカには、大型の竜脚類がたくさんいました。
彼らはみんな植物食の恐竜です。
体が大きいので大量の植物を食べなければならないわけですが、餌を巡ってケンカにならなかったのでしょうか。
ためしに、このフロアに展示されている竜脚類達を並べてみました。
彼らには基本姿勢(骨を組み合わせた時に一番自然な姿勢)をとってもらっています。
首と尻尾が長くてみんな同じように見える竜脚類ですが、こうやって並べてみると体格や姿勢が異なり、それぞれの顔の高さが違っているのが分かりますね。
この時の顔の高さが「彼らがメインで食べていた植物の高さ」を表していると考えられます。
つまりブラキオサウルスは高い木の歯を食べ、ディプロドクスは背の低い植物を食べていたということです。
また顔の高さが違うだけでなく、歯にもそれぞれ特徴があります。
食べる葉っぱの硬さにも違いがあったのでしょう。
【カマラサウルスの方が歯が太いので、硬い植物を食べていたのだろう】
(左)Skye McDavid, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
(右)Skye McDavid, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
このように食べる植物に差をつけることにより、みんな仲良く棲み分けができていたんですね。
この棲み分けのことを「ニッチ分割」と言い、現代でも餌や寝床、生活時間帯をずらすことで同じ場所で複数の動物が共存している例はたくさんあります。
ただ今回の例で凄いのは、ほとんどのニッチを恐竜が占めていると言うことです。
このことからも「この時代の地球は恐竜の天下だった」と言えるでしょう。
我々哺乳類の祖先は、恐竜が食べないような小さな餌しか食べることができなかったので、彼らが滅びるまではネズミの良うな姿から進化することができなかったんですね。