奇跡の恐竜

ご存知のとおり、恐竜の生きた証として現在に残っているのは
基本的に骨が石になった化石だけです。

また、特に大きい恐竜ほど骨はバラバラになっていたり、一部しか見つからないことが多く、生きていた頃の正確な姿を復元するのが難しくなります。



ところが…



2011年にカナダの炭鉱で見つかったその化石は、まるで昨日まで生きていた恐竜に石化の呪いをかけたかのような、非常に状態の良いミイラ状の化石でした。

ケラトプスユウタ, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

夜になったら動き出しても違和感なさそうですよね。

『違和感が無い』ということは、『我々がイメージしていた恐竜の姿は正しかった』ということです。

つまり、今までの研究結果に対して答え合わせができたということです。

もし我々が想像していた姿と全然違う形をしていたとしたら、他の恐竜の復元も考え直さないといけなかったかもしれません。
(それはそれで“やりこみ要素”があって良いのかもしれませんがw)



また、この化石は形状が完全に残っていただけではなく、色素細胞であるメラノソーム(メラニン色素の集合体)も確認されました。
これにより、体全体が褐色で、おなか側は白かったことがわかりました。

これは「カウンターシェーディング」と呼ばれ、身を隠すためのカラーパターンと言われています。(カウンターシェーディングに関しては、隣のパネルで説明しています)

彼らの大げさなくらいのトゲトゲは「防御のためなのか」それとも「異性にアピールするためなのか」といろいろな憶測ができますが、どうやら「防御力重視」だったようですね。



この化石は、死んですぐに何らかの理由で海底に沈んだため、このような姿で残ったと考えられています。
本当に奇跡です。

しかし恐竜時代というのは1億6000万年もあったのですから、その間で奇跡を起こしたのがこの1体だけということはないでしょう。

『今後どんなすごい化石が発見されるだろう』と考えると、ワクワクしますね!


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