1990年代に羽毛の痕跡が残る恐竜の化石が発見されました。
それ以降の研究で多くの恐竜に羽毛があったことが分かり、この20年で恐竜図鑑には鳥のような姿で描かれる恐竜の姿がずいぶん増えましたね。
さて、ティラノサウルスに羽毛はあったのでしょうか。
これは、この20年間論争が繰り広げられてる話題のひとつです。
今までに見つかった羽毛恐竜の特徴の一つに「体が小さい」ということが挙げられます。
動物というのは、体が大きくなるほど体内の熱が逃げにくくなります。(マグカップのお湯より、お風呂のお湯の方が冷めにくいですよね?)
『体の大きな恐竜に羽毛があったら、暑くてやってられない。』
これに関しては多くの人が納得し、
羽毛は小さい恐竜にしか生えていないというのが通説でした。
ところが中国でユウティラヌスという恐竜が発見されたことにより、考えを改めなくてはならなくなりました。
この恐竜はティラノサウルスに近縁な種で、全長は8mもありました。
そして、なんと体全体がフサフサだったのです。
この発見により
「大型のティラノサウルス類にも羽毛があった」
「ということは、ティラノサウルスにも羽毛があったはず」
と考えられ、ここ10年くらいはモフモフのティラノサウルスを
見かける機会が多くなりました。
しかし、この考え方はちょっと先走りすぎな感じがします。
そもそも、ティラノサウルス自体に羽毛があった証拠は見つかってません。
まぁ、これに関しては羽毛の化石は残りにくいので「あったけど見つかってないだけ」という可能性はあります。
次にユウティラヌスとティラノサウルスは近縁とは言え、住んでる場所が違います(中国とアメリカ)。
ライオンとトラは同じネコ科ですが、毛の生え方はずいぶん違いますよね。
さらに、ユウティラヌスは8mなのに対し、ティラノサウルスは12mもあります。
最後に決定的なこととして、実はティラノサウルスの皮膚の化石が見つかっていて、その表面はウロコがびっしりだったのです!
これにより「ティラノサウルスは全身に羽毛が生えていた」という説は否定されました。
現在では『全身ではなく背中など一部の箇所に生えていた』
『子供の頃は羽毛が生えていた』というのがよく聞く説です。
あくまで「説」なので実際どうだったのかはわかりません。
そもそも、空を飛ぶ訳でもないのになぜ羽毛が進化したのかもはっきりとはわかっていません。
異性を惹きつけるためや、タマゴを温めるためという説もありますが、それならどちらも子供には必要無さそうですよね。
皆さんは、どんなティラノサウルスの姿を想像しますか?
でわ、保存のいいものを見つけないと「(笑)」。
今後が楽しみですね!