恐竜の耳はどこにあるでしょうか。
カルカロドントサウルスを例に見てみましょう。
実は恐竜の頭の骨を見ても耳の穴は開いていません。
ちょっと窪んでいるだけです。
これは、恐竜に近しい生物である鳥やワニも同様です。
なぜ、頭骨に目や鼻の穴は開いてるのに、耳の穴だけこんな外れの方にあるのでしょうか。
これは、進化の過程を見ると納得できます。
恐竜より少し時代を遡って、生物が海の中にいたころの姿、つまり「魚」を見てみましょう。
魚に耳の穴はありますか……?
無いですよね。
そうなんです。
海の中で暮らしていた頃は耳がありませんでした。
とは言え、音が聞こえないわけではありません。
金魚の水槽をトントンってすると、逃げたり寄ってきたりしますよね?(金魚がビックリするから売ってる金魚とかにやっちゃダメですよ?)
魚も頭の内部に我々と同様に音を聞くための内耳や、平衡感覚を司る三半規管などがあります。
ただ、そこに繋がる外からの穴がありません。
音は聞こえるけど、音色までは分からないと言われています。
さて、上の魚の写真を改めてよく見て下さい。
耳がない代わりに、我々には無い穴がありませんか?
ちょうど目の後ろあたり……
そう「エラ」です。
普段フタが閉まってるので分かりにくいかもしれませんが、これは口から入った水が出るための穴です。
察しのいい人はもう気づいたでしょう。
ご存じの通り、エラは水中で呼吸をするために必要な器官です。
陸上に上がったらエラは必要なくなります。
これが現在の我々の「耳の穴(外耳道)」になったんです。
高い所に行って耳が変になったとき唾を飲み込むと治りますよね?海やプールで泳ぐとき、鼻をつまんで「ん!」って水抜きしますよね?
これらは耳と喉が繋がっている証拠です。
音を聞くための耳が喉に繋がっている必要なんてありませんが、これは耳がエラだったころの名残りなんですね~。
つまり、耳はそもそも顔のパーツではなかったんです。
どちらかと言うと首のパーツです。(魚に首無いけど)
だから頭骨に耳の穴は開いてないんです。
さて、生きていた頃の恐竜の耳の穴はどんな感じだったんでしょうか。
現代の鳥やワニを見ると、ただそこに穴(隙間)が開いているだけです。
鳥とワニに共通する特徴は、たいてい恐竜にも当てはまる特徴です。(恐竜は“ワニよりの鳥”ですから)
おそらく恐竜には我々のような耳たぶ(耳介)や、いわゆるケモミミ的なものはなかったと思われます。
そういうのがいても可愛いですけどねw
鳥にも「ミミズク」というのがいるので、そのくらいはいても不思議じゃないかもしれませんね。
(ミミズクの耳は飛び出した羽毛です)
ちなみに恐竜はどのくらい耳が良かったんでしょうか。
鳥は様々な声でコミュニケーションをとります。
一部の恐竜も鳴き声でコミュニケーションをとったとされているので、それなりに耳が良かったんじゃないでしょうか。
様々な恐竜の鳴き声が飛び交い、巨大恐竜の足音が響く。
遠くでは火山が噴火していて──
恐竜達は、その耳でどんな音を聞いていたんでしょうね。