私、プラテオサウルスを見てるといつも心配になるんです。
「バランス悪ぅ!転びそう!!」って。
重心が腰の位置(後ろ脚の付け根)にあるとすると、明らかに上半身の方が重そうに見えませんか?
恐竜はもともと肉食で2足歩行の動物でした。
そこから「植物を食べる」という選択肢をとったのがプラテオサウルスたちの仲間(古竜脚類)です。
植物を食べるとなると、それを消化して栄養を吸収するために長い腸が必要になってきます。
すると、どうしても上半身が重くなってしまいます。
彼らがもっと進化すると、最終的にはブラキオサウルス達のような4足歩行になります。
やはりどこかの段階で「2足歩行」は無理だと判断したんでしょう。
しかしプラテオサウルスの時点では2足歩行をしていたことが分かっています。
彼らはどうやってバランスを保っていたのでしょうか・・・・・・。
こちらの写真は建設現場などで活躍するクレーンです。
荷物を持ち上げるのは右側の方なんですが、左側になにやら四角いものがぶら下がっていますね。
これはクレーンの先端で重いものを持ち上げてもバランスがとれるように、反対側に重りをつけているんです。
これを『カウンターウェイト』と言います。
実は恐竜たちもコレと同じ考え方でバランスをとっているんです。
『上半身が重いなら、下半身も重くしよう』という考え方ですね。
現代の2足歩行生物には無く、恐竜たちの下半身にあるものと言えば・・・
そう『尻尾』です。
2足方向の恐竜は皆、太くて逞しい尻尾を持っています。
その理由は「後ろ脚を動かす筋肉が付いている」というのもありますが、「下半身を重くして体重のバランスをとる」というものだったんですね。
ティラノサウスなんかも、尻尾が無かったら顔が重すぎて立てなかったことでしょう。
トカゲは尻尾が切れても放っておけばまた生えてきます。
最近になって、ワニにも「しっぽ再生能力」があるという研究結果が発表されました。
という事は、もしかしたら恐竜にもその能力があったかもしれません。
しかし2足歩行の恐竜に関して言えば、尻尾が切れてしまうとバランスが崩れてしまいます。
歩くことができず、しっぽが再生する前に餓死してしまったのではないでしょうか。