ブロントサウルスという恐竜をご存知でしょうか。
アパトサウルスに似た恐竜で、昔はとても有名な恐竜だったんです。
映画などの作品にもよく登場し「巨大な恐竜と言えばブロントサウルス」というイメージでした。
ブラキオサウルスやディプロドクスを含む、巨大で首が長い「竜脚類」のことを「かみなり竜」と言ったりもしますが、ブロントサウルスという名前がまさしく「かみなり竜」という意味になります。
しかし、今発売されている恐竜図鑑にはブロントサウルスが載ってないと思います。
なぜブロントサウルスはいなくなってしまったのでしょうか。
ブロントサウルスが新種の恐竜として名付けられたのは1879年のことでしたが、それから24年後の1903年に「ブロントサウルスは、アパトサウルスと同じ恐竜」だということが分かりました。
恐竜は体の一部の化石が見つかっただけで名前を付けたりするので、その後の研究が進むと「この恐竜とあの恐竜は同じやつだった」ということはよくあります。(逆に「この骨とこの骨は同じ恐竜のもの」と思っていたら、顔だけ別の恐竜のものだったなんてこともあります。)
このような場合、1つの生物に2つの名前があることになるので、先に付けられた名前にまとめるというルールになっています。
実はアパトサウルスという名前はブロントサウルスの2年前に名付けられていました。
このことから、それまでブロントサウルスとアパトサウルスだと考えられた恐竜はどちらもアパトサウルスになり、ブロントサウルスという名前は使われなくなってしまいました。(これを無効名と言います。)
ところが……
2015年になって「やっぱりブロントサウルスとアパトサウルスは別な恐竜なんじゃないか」という意見が出てきました。
それぞれの骨格に異なる特徴が見られるということです。
この意見はまだ賛否両論あるようですが、私のようなおじさん世代からすると「また図鑑にブロントサウルスが載る日が来るかも!?」と、ちょっとワクワクしちゃうんですよね。