ブラキオサウルスやカマラサウルスの頭骨を見ると、頭の上にある大きな鼻孔がとても目立ちます。
竜脚類の中で、このような特徴を持つグループを「マクロナリア(大鼻類)」と呼びます。
マクロナリアには、白亜紀で繁栄したティタノサウルス類(当館5階のドレッドノータスやアルゼンチノサウルスなど)も含まれます。
以前は「巨大な竜脚類は、体重が重すぎて地上では歩けないので、水中で生活していた」と考えられていて、頭のてっぺんにある鼻を水面に出して呼吸していると思われていました。
しかし、恐竜の体が軽量化されていたことや、肺の構造的に水中生活が無理だったこともわかり、今では水中生活説は否定されています。
ちなみに、頭骨の鼻の穴が大きいからといって、実際の鼻の穴が大きかったかは分からないし、顔の上にあったかも分かりません。
こちらは現生動物のコモドオオトカゲの顔と、その骨です。
頭骨上の穴に比べて、実際の鼻の穴は小さく前方にありますね。
人間の鼻だって、軟骨のおかげで顔の前方に出ていますが、そういった軟組織は化石に残らないのです。
現在では「本来の鼻の穴は顔の前方にあっただろう」という説が有力ですが、実際にどんな顔つきだったのかは想像の域を超えません。
また、なぜ大きく、こんな位置にあるのかもわかりません。
一説では「大きな体に見合う呼吸をしやすくするため」とか「吸い込んだ息で脳を冷やすため」とも言われていますが……
皆さんは、どう考えますか?
いろいろと想像を巡らせてみてください。