亀の進化①

カメは今から2億年以上前に誕生し、現在では「陸」「海」「川や沼」など、地球上の多くの場所で生息しています。

長い間、カメは爬虫類の中でもトカゲやヘビに近いグループだと考えられていましたが、最近になってワニや鳥、そして恐竜に近いグループだということが分かってきました。

ワニや恐竜の仲間から、どうやってあの姿に進化したのでしょうか?


カメの特徴と言えばやはり甲羅でしょう。

生物は種類によって様々な形状をしていますが、他の生物には無い全くオリジナルのパーツを持っているということは少なく、独特なパーツも大抵は既存のパーツが進化したものになります。

カメの甲羅は「肋骨(ろっこつ)」が進化したものです。
いわゆる「あばら骨」ですね。

肋骨が体の外側に張り出し、硬くなったものが甲羅です。

余談ですが……マンガやゲームでは、カメの体が甲羅から抜け出る表現が描かれることがあります。

しかし甲羅が肋骨だと考えると、それは無理だということが分かりますね。


ここの水槽に展示されているアーケロンは、現在のウミガメとほぼ同じ姿をしています。
それ以外にも亀の化石はたくさん見つかっています。

しかし「亀になりかけ」の生物が長いこと発見されず、亀がどのように進化したのか分からずにいたのです。

最初の手掛かりは、2008年に中国で見つかり「オドントケリス」と名付けられた生物の化石です。

オドントケリスは平べったい体をしていて、おなか側には肋骨が変形した甲羅がありました。しかし背中側に甲羅が無かったのです。

これが現在の亀の祖先と考えられています。

これにより、亀は背中よりお腹の甲羅を先に獲得したことがわかりました。

身を守ることを考えると、背中の防御力を高めて地面に伏せてしまえば良いように思います。

なぜお腹側から甲羅を進化させたのでしょうか。

実は彼らも、できることなら背中から進化させたかったのかもしれません。

しかし、背中の甲羅を進化させるためには、ひとつの大きな障害があったのです。

つづく



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