モササウルスやイクチオサウルスの化石には胎児の骨が含まれており、爬虫類でありながら卵ではなく直接子供を生んでいたことが分かっています。
なぜこのような繁殖方法をとったのでしょうか。
現代の海の爬虫類といえば、ウミガメですね。
皆さんも映像を見たことがあると思いますがウミガメは海の中ではなく、砂浜に卵を産みます。
でも、どうして砂浜なんでしょうか?
一つの大きな理由は呼吸です。
ウミガメは我々と同様に肺呼吸なので、海の中で呼吸する事ができません。それは卵も同じで、海の中では十分な酸素を得られないため、砂浜で産卵するんですね。
また、砂は適切な温度と湿度を保つので、卵の発育に適した環境を提供してくれます。
モササウルス達の祖先も、おそらく初期のころはウミガメのように陸に卵を生んでいたことでしょう。
しかし、陸に卵を産むことにはデメリットもあります。産卵のために陸に上がるウミガメは捕食者に襲われやすいです。
また、卵や生まれたばかりの赤ちゃんが外敵や環境変化にさらされる可能性も高いんです。
ウミガメは水中生活に適用して手足をヒレに進化させたので、陸上では早く動くことができず、敵から見たら格好の餌食になってしまうんですね。
この問題を解決させるために、モササウルスやイクチオサウル達は卵を産むのをやめたのでしょう。
子供を体内で育てることで、親は外敵から子供を守り、安定した環境を提供できるのです。
その結果、子供の生存率が向上します。
ただし、子供を産むことにもデメリットはあります。
親は大量のエネルギーを消費し、動きにくくなる可能性があります。
また、一度に多くの子供を産むことができないため、子孫を残す機会が限られます。
それでも彼らは、この方法が最も効果的であると進化の過程で選びました。
こうして彼らは、海の中で独自の生存戦略を築いていたのです。