生物のカラーリング

キツネ、トラ、リス、ガゼル……

これらの生物のデザインは「お腹が白い」という点で共通しています。

Yathin S Krishnappa, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

これらの動物以外にも、お腹が白い(明るい色)の生物はたくさんいます。
これは「カウンターシェーディング」と呼ばれ、恐竜を含む古生物にも採用されている伝統的なカラーリングです。


自然界では、基本的に上から太陽の光が降り注ぐので、背中が明るく、お腹が暗くなります。

人の目で見た時もそうですが、上が明るくて下が暗いと、立体的に見えます。

ゲームやアプリに使われるボタンも「押せそうな感じ」を出すために、だいたいそうなっています。

明るさが均等だと平面的に見える(左)が、
上が明るく下が暗いと立体的に見える(右)

自然界の景色の中で「立体的に見える」と言うことは「目立つ」ということになります。
生物は狩られる側も、狩る側も、目立たない方がお得です。

そこで、背中側を暗く、おなか側を明るい色にするんですね。
そうすれば、上から光が当たったとき、全体的に同じ明るさになり平面的、つまり目立たなくなります。



特に海の中の場合は、水中から下を見れば暗く、上を見れば明るいので、地上より顕著になります。
サメやイルカなんて、背中が黒でお腹は白です。
ペンギンもそうですね。

さらにいえば、海の中から空を見ると明るくて真っ白に見えます。

だから上空から魚を狙う海鳥(カモメやウミネコ)は白いんです。
恐竜時代に空を飛んでたプテラノドンも、海の魚を食べてたのでお腹が白かったんじゃないかという説があります。

この世界に「理由の無いデザイン」なんてないんですね。


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