ほとんどの竜脚類の口には前歯しかありません。
巨大な体を維持できる量の餌を食べるためには、咀嚼してるヒマが無かったのでしょう。
形状は色々ですが、どの種も多少隙間のある歯が前に並んでいます。
そんな竜脚類の中でも、特に前歯が印象的な恐竜がニジェールサウルスです。
爪きりのような、掃除機のような幅広い口の先端に、細かい歯がびっしり並んでいます。
この構造からどんな食事風景を想像しますか?
竜脚類は体が大きく、高い木の歯を食べてるイメージですが、ニジェールサウルスはそれほど大きくなく、どうやら地面に生えている植物を刈り取るように食べていたのでしょう。
首の構造も、上に持ちあげるより、下におろすのに適した構造になっていたようです。
平らな地面に生えた植物を一口で大量に頬張るためには、これ以上無いくらい適した口の形ですよね。
一見ただの変な顔に見えてしまいますが、これは機能美と言っていい素晴らしい進化のデザインだと思います。