隣のパネルで、魚のエラが耳に進化した話をしました。
ところで昔から海にいた魚であるサメの姿を見て下さい。
エラが複数個ありまね?
この中で耳の穴に進化したのは一番手前のエラです。
残りのエラは必要ないのでそのまま退化していきます。
すると、その部分がごっそり無くなって細くなり……
はい、首の出来上がりです。
首ができたことにより、体をいちいち動かさなくても広範囲の餌を効率的に食べれるようになったし、視野が広がって危険を察知する事もできるようになりました。
さて「首」と言うのは正確にどこからどこまでを指すのでしょうか。
我々脊椎動物の体には、頭蓋骨の根元から尻尾にかけて「椎骨(ついこつ)」という骨が連なっています。
頭蓋骨側から順番に見ていくと、ある位置から左右に「肋骨(ろっこつ)」が伸びていきます。
ここまでの椎骨を「頸椎(けいつい)」と言い、骨格上の「首」になります。
我々「哺乳類」の首の骨(頚椎)はみんな7つです。
ネズミも人間も、首が長いキリンも、首の骨は7つです。(ナマケモノなど一部例外あり)
それに対して、恐竜の首の骨の数は種ごとに異なります。
ティラノサウルスは10個、一番首が長いとされているマメンチサウルスは19個と言われています。
個数がバラバラなので、化石が一部しか見つからない場合、体全体の大きさが特定しにくいんですよね。
ちなみにこちらは翼竜ケツァルコアトルスの写真です。
首の骨は一つ一つが長く、本数は少ないですね。
翼竜はよく恐竜と混同されがちですが、首の骨を見ると、恐竜とは違う感じがしますね。
キリンは「ネッキング」と言って、首同士をぶつけ合って喧嘩します。
首の長い竜脚類も同様のことをしていたでしょうか?
おそらくNoです。
恐竜の首の骨は、体重を軽くするために結構スカスカにできています。
当然筋肉もあまりつけられないので、ヘビの体や象の鼻のようにグニャグニャと曲げることはできなかったし、ネッキングなんてしたら骨折していたでしょう。
大型の肉食恐竜の首は筋肉質だったようです。
肉を咥えて引きちぎるためには、首の筋肉が必要ですからね。
(そもそも顔が重そうだし)