スピノサウルスの食事

尻尾の形状が分かったことで、水中生活説が完全に立証されたかと思いきや、実はまだスピノサウルスには謎がいくつか残っています。

歯の形状から魚を食べていたことは間違いなさそうです。

オンコプリスティスというノコギリエイのような魚の化石が一緒に見つかっていることから、その魚を食べていたと考えられています。

【オンコプリスティス】
Joschua Knüppe, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

しかし、その魚をどうやって捕まえていたが問題です。

水中生活をしていたのなら泳いで捕まえたはずですが、どうも辻褄が合わないところがあります。


まずは首の形状

スピノサウルスの首はS字形に曲がっています。
これは現生の生物で言うと、水辺で魚を捕まえるサギに似ています。

【魚を狙うサギ】
Zeynel Cebeci, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

彼らは水面をじっと見つめて、魚が見えたらヒュッと首を伸ばして魚を捕まえます。

水中生活をしている生物の多くは首が短く、長い場合はまっすぐに伸びているのがほとんどです。



次の謎は鼻の位置です。

ワニのように水中生活をするのであれば、顔の先端に鼻の穴があった方が、呼吸がしやすかったでしょう。

【鼻先を水面に出すワニ】
Matt from Melbourne, Australia, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons


しかしスピノサウルスの鼻孔は、その長い顔の目に近い方にあります。

【スピノサウルスの鼻の位置】
Kabacchi, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

これは、水上から水中の魚を咥えたときに、鼻に水が入らないためではないでしょうか。

または、口先だけ水の中に突っ込んで、魚が来るのを待つのにも役立ちそうです。

以上のことを踏まえると、スピノサウルスは水の上から魚を狙っていたように思えます。

実際はどんな生活をしていたのでしょうか。



恐竜に関する情報は、全て「仮説」です。
多くの人に支持される仮説と、そうでない仮説があるだけです。
本当の正解なんて誰にも分かりません。


数百年前まで「世界は平らで、その周りを星が回ってる」と信じられていました。
しかし現在は地球は球体で、太陽の周りを回ってると誰もが知っています。

でも、もし数百年後の未来人と会話する機会があったら
「え?お前らまだ地球が丸いって信じてんの!?ウケるwww」
って言われるかもしれませんよね?

どこまで行っても恐竜には「想像の余地」が残されています。

楽しくいろんな姿を想像してみましょう。


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