実は、いくつかの恐竜からは『目の化石』が見つかっています。
と言っても眼球がそのまま残っているわけではありません。
彼らの目には、中央に穴の開いたコンタクトクレンズのような薄い骨がはまっていて、これが化石として残っています。
この骨は特に珍しいものではなく『強膜輪(きょうまくりん)』と言って、現在の魚、爬虫類、鳥にも見られます。
私は食べたことがありませんが「マグロの目玉の煮つけ」の写真とかを見ると、薄いドーナツのような骨が入っているのがわかります。
さて、この強膜輪を持つ生物の特徴として『目玉が球体じゃない』というのがあります。
球体をちょっとつぶした、メロンパンのような形をしています。
そうなると、なんと我々のように目をキョロキョロと動かすことができないんですね。
フクロウは首の可動域が広く、顔を後ろまで回せることをご存じの方も多いかと思います。
あれは「目が動かせないから、仕方なく顔ごと動かすことにした」結果というわけです。
そして、目が動かせないことで地味に困るのが「歩くとき」です。
例えば、歩きながらスマホで動画を撮影すると映像はブレブレになりますよね?
我々は普段歩くとき、無意識に目を動かしてそれを調整しています。
まさしく手振れ補正のような感じ。
しかし、鳥にはそれができないんですよ……。
歩いているとき何も見えないんじゃ、鳥たちは怖くて歩けません。
そこで一部の鳥は画期的な歩き方を編み出しました。
まず顔を前に突き出します。
そして、顔をその位置に固定したまま、体だけ前進させます。
(この時、目は固定されているので、見えてる映像はぶれません)
体が進んで顔に追いついた(首が引っ込んだ状態になった)ら、また首をヒュッと前に突き出します。
そうです。
公園を歩いてるハトの歩き方ですね!
彼らは意味があってあの歩き方をしています。
あの歩き方じゃないと移動中なにも見えないんですw
もしかしたらティラノサウルスも公園の鳩のように頭をヒョコヒョコさせながら歩いてたかもしれません。
そうだったらちょっと可愛いですよね。