世の中には恐竜に興味が無い人ももちろんたくさんいるでしょう。
でも「恐竜」という言葉を聞いたこと無い人はいないだろうし、「ティラノサウルス」くらいはなんとなくイメージできる人がほとんどではないでしょうか。
一億年も前の存在で、我々の生活には一切関係が無いにも関わらず、これだけ知名度が高いのはちょっと凄いことですよね。
しかし、ほんの200年ほど前まで「恐竜」の存在を知っている人は誰一人いませんでした。
それでは、人類がその存在を認識したのはいつなのでしょうか。
1677年イギリスで巨大な生物の化石が見つかりました。
まだ恐竜の存在は誰も知らなかったので「巨人の骨ではないか」とも言われていたようです。
それから100年以上経った1797年、同じ採掘場から数本の歯が付いた下顎の化石が発見されます。
それでもなんの生物か分からないまま10年の時が流れ、1818年に解剖学者が「巨大な爬虫類」であることを突き止めました。
(最初に見つかっていたのは大腿骨だった)
そして1824年に「巨大なトカゲ」を意味する「メガロサウルス」という名前で公表されました。
ほぼ同時期である1822年のこと。
イギリスの医者であるギデオン・マンテルは奇妙な歯の化石を見つけました。(見つけたのは奥さんだという説もあり)
歯の形が現在のイグアナのものに似ていることから「イグアノドン」と名前を付け1825年に学術的に発表しました。
さらにマンテルは1832年に新たな生物の化石を見つけ、翌年「ヒラエオサウルス」という名で発表しました。
こうして人々は「どうやら大昔の地球上には巨大な爬虫類達がいたらしい」ということに気づき始めたのです。
そして1842年、イギリスの古生物学者リチャード・オーウェンによって「恐ろしく巨大なトカゲ」を意味する「DINOSAURIA(ダイノサウリア)」という言葉が誕生しました。
この言葉はギリシャ語で、英語だと「ダイナソー」、日本語では「恐竜」と翻訳されました。
今なら「化石が見つかってるんだから、現在は存在しないような生物が大昔に生きていたのは間違いない」とすんなりイメージできるでしょう。
しかし当時は「神が7日間で世界を創造した」というのが一般論の時代です。
生物が進化して姿が変わっていくなんて考えられず、現在と過去で生きてる生物が違うなんて思ってもみなかったはず。
そんな中でも常識に捕らわれずに恐竜の存在に気付き、それを発表した彼らの功績は筆舌に尽くしがたいものですね!