このフロアには、史上最大の陸上生物であるアルゼンチノサウルスや、あの有名映画で「最大の肉食恐竜」と紹介されたギガノトサウルスなど、体の大きな恐竜が展示されています。
そもそも「恐竜」=「体が大きい」というイメージを持ってる人も多いと思います。
なぜ彼らはこれほどまでに巨大になったのでしょうか。
まず前提として「体が大きい」ということは、野生においてそれ自体が「武器」となります。
現代の陸上最大の生物はゾウですが、大人のゾウに敵う動物はいません。
クジラも同様ですね。(子供はシャチに食べられたりしますが)
したがって、非捕食生物(食べられる側の生物)は「敵に食べられないための手段の一つ」として体を大きく進化させます。
しかし肉食生物の方も黙ってるわけではなく「大型の動物でも確実に仕留めるための手段」として大きくなります。
これを繰り返すことによって、一部の生物は大きくなっていくわけです。
しかし大きな体にはデメリットも多く、それでも生きていけるように進化するためには乗り越えなければならないハードルがいくつかあります。
まず、大きな体を維持するためには、単純にエサを大量に摂取しなければなりません。
また、栄養だけでなく酸素も大量に消費するので効率的な呼吸も必要です。
大きな体を動かすためには筋肉が必要ですが、筋肉が付けば付くほど体重は増えます。
そこで体の軽量化もとても重要。
そして体が大きくなると、体内に熱がこもりやすくなります。
マグカップの飲み物より、お風呂の方がお湯の方が冷めにくいですよね?
場合によっては体を冷ます冷却システムも必要なのです。
現代のゾウが恐竜ほど大きくないのは、これらのハードルを乗り越えることができなかったからです。
それでは、いったい恐竜たちはどうやってこの厳しい条件をクリアしていったのでしょうか……
ーつづくー