ここに展示されているジャカピルやステゴウロスの体は、トゲのようなコブのような物で覆われています。
これは見た目の通り「敵から身を守るための装備」で、このタイプの究極系としてアンキロサウルスが有名ですね。
(当館7階に展示中)
このコブは何で出来ているのでしょうか。
化石にもしっかり残っている硬い組織ですが、骨ではありません。
これは「皮骨(オステオダーム)」と呼ばれています。
そもそも骨というのは、コラーゲンでできた軟骨状のものに、カルシウムやリンなどのミネラルが混ざって堅くなることで構成されます。
これを「骨のミネラル化」と言い、骨に含まれるミネラル(特にカルシウム)の割合のことを骨密度と言います。
一方で皮骨というのは、皮膚でミネラル化が起こったものです。
骨の外側に筋肉があり、筋肉の外側に皮骨があるので、骨とは繋がっていません。
まさしく鎧を外から羽織っている状態ですね。
ちなみに、アンキロサウルス類の研究によると、子供の頃はあまり皮骨が発達しておらず、成長と共にゴツゴツしていくそうです。
逆に大人からは骨の断面に溶けたような跡が見つかっています。
どうやら自分の骨を溶かして、皮骨を成長させるための材料にしていたようです。
同様に背中を守っている動物として「亀」をイメージする人もいるかもしれません。
しかし亀の甲羅は背骨や肋骨そのものなので、皮骨とはまったく別物です。
つまり、亀は肋骨が筋肉や肩甲骨の外側にあることになり、どういう進化の過程でこうなったのかハッキリ分かってないようです。
現在の生物にも皮骨を持つ動物はいます。
ワニやアルマジロの背中が有名ですね。
それと、ちょっとこれを見て下さい。
これは現代のアメリカ近辺に住む「カミツキガメ」という亀の尻尾の写真なんですが……
まさしく現代のヨロイ竜という感じですよね!