ディプロドクスのイラストなどを見ると、よく背中にトゲトゲが描かれています。
当館のディプロドクスにも生えていますね。
これは鱗が細長く伸びたもので、ディプロドクスの仲間のいくつかの種で、その痕跡が確認されています。
これは何のためにあるのでしょうか。
トゲというと「身を守るためのもの」というイメージがあるかもしれませんが、ディプロドクスのような巨体で、背中を守る意味はほぼ無いでしょう。
実は、これと同様のものが現代のイグアナにも見られ「クレスト」と呼ばれています。
イグアナの場合、個体差はあるもののオスの方が大きい(長い)クレストを持っているようです。
つまりライオンのたてがみと同様に、自分を立派に見せ、異性にアピールするためのものだったと考えられます。
ディプロドクスもオスの方がトゲトゲが長かったのかもしれませんね。
その他にも「体の表面積を大きくして体温を下げる」という機能もあったかもしれません。
これはステゴサウルスやスピノサウルス(3階展示中)の背びれでも同様のことが言われています。
3次元物体は「体積が3乗倍になっても、表面積は2乗倍にしかならない」という法則があり、体が大きくなればなるほど熱がこもりやすくなります。
もしかしたら、痕跡が見つかっていないだけで、ほとんどの大型恐竜にクレストがあったかもしれません。
ちなみにクレストという言葉は、鳥のトサカや兜の飾りのことを指す言葉で、要するに「目立たせるために付いてるもの」をクレストと呼ぶわけですね。
ディロフォサウルスやパラサウロロフス(7階展示中)のトサカのこともクレストと言います。