5回の大量絶滅

大量絶滅と聞くと、隕石衝突により恐竜が滅んだ大事件を想像するかと思います。

しかし、実は恐竜が誕生した三畳紀の末にも大量絶滅が起こっていました。

それだけではありません。

長い地球の歴史の中で生物の大量絶滅は5回起こったとされています。

この5回の大量絶滅は「ビッグファイブ」と呼ばれていて、その中には恐竜絶滅の時よりも被害の大きかったものもあります。

以下にビッグファイブについて紹介していきます。


1.オルドビス紀末

このころの生物はほとんどが海の中にいて、軟体動物や三葉虫が栄えていました。

時代が古すぎて、大量絶滅のはっきりした原因は分かっていませんが、気候変動によって南半球に氷河ができたり溶けたるすることで、海中の酸素が減少したのではないかと考えられています。

また、宇宙で起きた超新星爆発によってオゾン層が破壊されたという説もあります。

その結果、当時生きていた生物の約85%の種が絶滅しました。

2.デボン紀末

デボン紀は「魚の時代」とも言われるほど、多種多様な魚が進化した時代です。
また地上には植物と昆虫が進出し、はじめての森林が作られました。

しかしデボン紀末に、海中の生物を中心に約82%の生物種が絶滅してしまいました。

これも原因ははっきりしていませんが、何らかの理由(海底火山による二酸化炭素放出?)で海中の酸素が減少してしまったと言われています。

また、隕石が落下した形跡も見つかっていますが、大量絶滅との因果関係は分かっていません。

3.ペルム紀末

ペルム紀は巨大な両生類や爬虫類が栄えた時代。
ディメトロドンが有名ですね。
植物ではイチョウやソテツなどの裸子植物が登場しました。

そして、史上最大の大量絶滅が起こります。

地球上のすべての大陸が1か所に集まり、超大陸パンゲアが完成。
この時にマントルが急上昇する「スーパープルーム」によって大規模な火山活動が起こったのではないかと考えられています(諸説あり)

この大量絶滅で、約96%の生物種が絶滅しました。

4.三畳紀末

中生代最初の時代が三畳紀です。
恐竜やワニを含む「主竜類」という爬虫類が地上を支配していました。

この時の絶滅の原因としては、ひとつに繋がっていた超大陸が現代の南北アメリカとアフリカが分裂したことで、その境目にあたる「中央大西洋マグマ帯」で大規模な火山活動が起こったという説が有力です。

また、隕石が落下したという説もあります。

この大量絶滅では、約76%の生物種が絶滅しました。

5.白亜紀末

そして恐竜時代の最後。

皆さんご存じの通り、巨大な隕石の落下により恐竜時代が終焉を迎えます。(詳しくは当館5階で解説しています)

この事件は恐竜ばかりが取り沙汰されますが、それ以外にも「翼竜」「首長竜」「モササウルス類」「アンモナイト」など、恐竜図鑑によく出てくる生き物たちは完全に絶滅。

生物全体の約70%が絶滅しました。


このように、地球上では何度も大量の生物が絶滅する事件が起きています。

しかし、その都度生き残る生物がいて、そこからまた新しい生物たちが繁栄してきたのです。

三畳紀末の大絶滅があったからこそ恐竜が繁栄し、白亜紀末の大絶滅があったからこそ哺乳類が進化して我々が誕生しました。

まるで、卒業する先輩がいれば、新しく新入生が入ってくるような感じですね。


そして今現在──
すでに第6の大量絶滅が始まっているとの考えもあります。


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